はに天国へ行く(旅立った時)

ロシアンブルーのはに

 

肺に水が溜まったが落ち着いたので少しウトウトしていた。トイレに行きたそうなので酸素室からはにを出してあげたがおしっこは出なかった。すぐまた酸素室に戻ったが呼吸が少し早くなっていた。

 

大丈夫かな?と心配しつつまた少しウトウトしてふと目が覚めたらはにの呼吸がおかしかった。そしてまたトイレに行きたそうだったので酸素室から出してあげた。

 

一目散にトイレへ行きおしっこをした。よかったと思ったが明らかにヨロヨロして逃げたそうにしていて落ち着かないはに。少し眠らせるシロップを飲ませたが嫌そうな顔をした。やはり逃げたがる。酸素室へ入れようとしたら急にパタッと真横にはにが倒れた。こんな倒れ方はみたことがなかった。

 

起こしてあげて酸素室へ入れたが入ってもそこから逃げようとしていた。にゃあと鳴く。そんなに声が出ないはにが鳴いた。力尽き酸素室の中で横に倒れ呼吸が荒くなってきた。口が開きよだれが出てきた。口で呼吸をする。はに辛いね、はに。辛いね。さすってあげるしかできなかった。酸素をなるべくはにに近づけて少しでも辛くないようにしてあげた。

 

もうお迎えなんだろう。そう思った。今まで本当にいくつも危機を乗り越え頑張ってくれたはに。辛くて苦しそうだったはにに頑張れとは言えなかった。それに声をかけたらはにがまた頑張ってしまうと思い最期のはにの頑張りを、最後まで必死に生きようとするはにをこの目に焼き付けておかないと、そう思い何も言わずじっと見ていた。目をそらしてはいけない。はにの最後を見届けねば。

 

荒かった呼吸が徐々にゆっくりになり回数が減った。そこでようやく私は涙をこらえ振り絞ってありがとうとはにに声をかけることができた。最後数回息をはっと吐き出し呼吸が止まった。はにが旅立っていった。

 

酸素室の電源を切る。はにを酸素室から出しシートに横に寝かせた。目と口が開いてたので何度か押さえて閉じさせた。眠っているようなはに。もしかしてひょっこり起きるんじゃないのかと思うくらい安らかな顔だった。ただ鼻から透明な液体がポタポタでてきた。やはりはには逝ってしまったんだ…急に涙が溢れて出てきた。ふと時計を見たら9/4午前1時半ちょっと前だった。はには私が夏休みだった日を、最後を見届ける事ができる日と時間を選んで旅立っていった。

 

本当に本当によく頑張ったね。いっぱいいっぱいありがとうはに。やっと楽になれたね。辛かったもんね。頑張ったねはに。ゆっくり休んでね。はに。

 

はには腎不全も末期だったけど心臓の方がもたなかったんだろう。まだまだこんな状態だけど生きてくれると思っていたがやはりはにはいっぱいいっぱいだった。

 

その日ずっとはにの側にいた。ただただ近くではにを見ていた。とても静かな時間だった。身体も拭いてブラシをかけて綺麗にした。近所の方にはにが旅立った事を伝えたらお花をいただいた。いつもはにと私を心配してくれていた。本当にありがたかった。